筑前つげ細工

九州北西部にて製造される「筑前つげ細工」。

当工房では、つげの櫛・ブラシ、家紋などの根付・アクセサリーなどの製品を製作しています。

つげの製品は古くは『万葉集』や『源氏物語』にも記述があり、とりわけつげの櫛は、櫛の最上級品として古くからその地位を築いていた伝統的工芸品でもあります。

つげの櫛は静電気を起こさず、髪に艶を与えると云われています。

もちろんつげの木自体が静電気を起こす事は無く、これはセーターを着てわきの下で下敷きを擦るというおなじみの理科の実験でも木の板に静電気が起きないのは皆さんも容易に想像できると思います。

冬の乾燥した時期、プラスチックの櫛やブラシでパチパチ・・・は枝毛・切れ毛の大きな要因ですね。

        

では「木製の櫛なら何でもいいのか」ということになりますが、つげにはその他の木に無い大きな特性があります。

第1に、つげという木が目の詰まった硬い木質であり、表面に毛羽立ち・ザラつきがないという事です。
この特性により髪の滑りが大変良く、梳くほどに髪に艶を与えるのです。

第2に、硬い割に粘りがある事です。
この為、櫛の歯のように細く削ってもしなやかで折れ難いので、昔から櫛に一番適した素材と言われています

第3に、つげは使用環境や経過年数によって色が変わっていく事です。
つげの櫛を長年使用していくと木そのものの変色や髪の油によって「あめ色」と呼ばれる
重厚で深みのある鼈甲のような色になります。

自分の櫛をいかに良い「あめ色」にしていくかもつげの櫛を使う楽しみのひとつです。